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澁澤龍彦回顧展

Shibusawamainimage1_2 元町に用があり出向くと、地下鉄のポスターで開催を知りました。澁澤氏、生誕80年記念の回顧展です。場所は「神奈川近代文学館」港の見える丘公園内にあります。

ふらんす山に登ったのはいつ以来だろう?むせかえるような緑の匂い。暑くも、寒くも、風もなく、とっても爽やかです。

旧友である詩人の高橋睦郎氏のビデオから、回顧展は始まりました。タイトルは”澁澤龍彦というサロン” フランスのブルジョワがアーティストを自宅に招き、芸術や文学を語り明かしたことから始まるサロン文化・・・澁澤のもとにも、多彩な顔ぶれが集まって楽しい時間を過ごしたそうです。明朗な性格、好奇心とサービス精神たっぷりのさりげないもてなし。彼自身、彼の生き方そのものがサロンであったわけです。

私自身も、思春期のころから漠然とサロンに憧れ、それもあって、その後「料理教室」を開きました。それが料理でなくとも、人と人を繋ぐ「場所」をつくる人になりたい・・と、ずっと願っていたのを思い出し、しばし感動・・・。存在がサロンなんて、とっても良いね!

フランス文学に精通した澁澤作品。おびただしい著作・翻訳がありますが、中でもマルキ・ド・サドの「悪徳の栄え」は、色々と話題になったせいか有名ですね。また、作者不明とされる「O嬢の物語」も彼の翻訳。作品と言い、細面にサングラスのいでたちと言い、私の中ではダークなイメージがあった澁澤氏でした。が、しかし・・「悪徳・・・」は、映画で観たけれど、イタズラに破廉恥な内容ではありませんし、そして「O嬢・・・」は、誤解を恐れずに言うと純文学。哀しみを湛えた純愛小説と感じたのでした。人に対して”差別”が無かった彼は、善に対しても悪に対しても偏見が無く、自由であることを大切にした人だったようです。

金子国義氏に、O嬢の物語の挿絵を勧めて画家にしたのは彼でした。四谷シモン、池田満寿夫などそうそうたる親交が物語るように、彼はいつも友人達を愛し、無垢に、幸せに生きてきたのでしょう。

回顧展の最後は、高橋氏によってこう纏められています・・・「善も悪も、神も魔も、出会う全てを屈託なく、率直に明るく受け入れる。敢えていえば、運命愛なのだろう」 人生最期の日が来ても、こうでありたい。と・・・再確認した1日でした。

長くなりました(笑)。退屈だった方の為に・・・

この時期の、港の見える丘公園は良いですよ。薔薇が素晴らしい!良く手入れされた庭園は外国のよう。昔から慣れ親しんだ横浜・・あまりにも身近過ぎて、見過ごしていたようです。

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コメント

澁澤龍彦、懐かしいなぁ。10代の頃よく読みました。澁澤、種村、高山宏、このあたりはそのまんま若い頃の思い出になってます。 回顧展に行ってみるかな、この季節の港の見える丘公園は確かに素晴らしいものですからね。ついでにエリス邸でお茶なんかいただくと、そのまんま高校時代のデートコースですわ…

投稿: 通りすがりのものです | 2008年5月 9日 (金) 22時54分

通りすがりのもの・・さん

いらっしゃいませ☆
マニアな内容に、コメントいただき有難うございます。
そう言う私はあまり詳しくないのですが、ポスターを見た瞬間「行かなくては!」と思いました。
ついでにエリス邸で、ぜひ!お茶してくださいね(笑)

また通りすがってくださいませ☆

投稿: Hana | 2008年5月 9日 (金) 23時58分

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